HIBINO NAOKO illustration

Diary

〈読んだ本〉いちばんここに似合う人 (ミランダ ジュライ著/新潮クレスト・ブックス)

救いようのない孤独と戦う、どこにでもいる普通のひとたち。
とてもおお真面目だけれどもその戦いかたがとても不器用だから、
いつも悲しい結末がまっている。

第1回「Twitter文学賞」の海外篇で1位に輝いたこの小説、
たくさんの人が「面白かった!」とつぶやき、評価されました。
ところでこの、みんなの「面白かった」はどういう面白さでしょう。
「これは私のことが書いてある」とか
「私のことを代弁してくれた」とかいう共感ものさしで、
本の “すき・きらい よい・わるい” を決める人がたくさんいるけども、
そういった物語の中の孤独に寄り添う人たちの推薦をうけて
高い評価を得たのでしょうか。
現代を生きる人たちは孤独な人だらけなのかしら。

夫婦間の隙間をうめるかわりに、
部屋をミッドセンチュリーの家具で満杯にする満たされない人。
望みがかなっても人生は変わりはしないと知ってしまった人。
妄想の中でしか息継ぎができない人。
「いちばんここに似合う人( ミランダ・ジュライ著 岸本佐知子訳/新潮社)」 は
ハッピーエンドがどこにも見当たらない残酷な16編の物語です。

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