HIBINO NAOKO illustration

Diary

〈読んだ本〉幼女と煙草(ブノワ・デュトゥールトゥル 著/早川書房)

最後に1本煙草が吸いたい」と死刑執行直前の囚人が願いでたから
法曹界も、政治家も、世論も大騒ぎ!死刑の執行の間際には習慣にかなった
最後の望みを果たす事が認められるという法律と、嫌煙運動に圧されて制定された
拘置所内の喫煙を禁ずる規律とのあいだにある矛盾が大問題となって、
ついにはその命に猶予があたえられることに。
そもそも刑の執行をまつ死刑囚が、健康を害して寿命を縮めないよう
禁煙を強いられるているのは趣味のわるい冗談だろうか?
一方、政策により敷地の半分が託児所となった市役所で働く男は、
“世界の未来を表す心温まるシンボル”として子供たちが庁舎内で厚遇される子供たちに
いら立ち、子供の健康を守るための喫煙規則に激しい反抗心を持っている。
そんな男が庁舎のトイレでこっそり煙草を吸っていたことを幼い女の子に告発され、
窓から投げ捨てた煙草も問題となり、ついには身に憶えのない罪も被せられてしまうのだ。
なぜトイレに鍵をかけないのか、そして何故火のついた吸い殻を窓から捨てたのか!
脇の甘い男だよ。
煙草に救われた男と煙草に足をすくわれた男、たった1本の煙草が
きっかけで正義や権利に振り回されるふたりのブラック・コメディです。

幼女と煙草