HIBINO NAOKO illustration

Diary

〈読んだ本〉もたない男(中崎タツヤ著・飛鳥新社)

あれを買った。これが欲しい。マストバイ。
お世間さまのつぶやきを目にする度に身震いをする「もたない女」のわたくしです。
そんな気持ちに寄り添う書籍が『もたない男』!ものを捨てたくて
仕方がない漫画家中崎タツヤさんの “捨て哲学”は
少し前に大流行りした断捨離の3段飛ばしくらい先を行く「もたない生活」です。
仕事部屋を紹介した写真は人の気配が感じられず、それはそれは潔く
机や枕がぽつんと配置されたその姿は、まるで由緒正しい石庭のよう。
「もたない」ことで「もの」にとらわれない暮らしを目指すのが断捨離ですが、
中崎さんは「捨てる」ことにおおいにとらわれています。
読みかけの本の、読んだページはどんどんちぎって捨ててしまう。
椅子の背もたれは使わないのでノコギリで切って捨ててしまう。
バイクの泥よけが無駄に思えて捨ててしまう。
ご自身の漫画の生原稿さえ燃やして捨ててしまう。
時には捨てたものを(実は必要なものだったので)買い戻したりする
「もたない男」の半分ビョーキともいえる捨てることへの悲しい執着心が、
中崎さんの漫画の世界の延長でおもしろおかしく紹介されています。
しかし「もたない」というのは相当量のエネルギーと知恵とが必要なのですよ。
そんなわけで、買い物をするときは本当にマストバイなのかどうかよく考えて、
気に入ったものを長く大切に使いたいものです。

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去年のうちのリビング
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本棚の本は背表紙がみえないほうが落ち着きます
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